固定観念が専業主婦や子供がいない夫婦を傷つける





最近知り合いに「今は仕事を辞めて専業主婦です」って事実をそのまんま言うと、
(特に独身女子の多くが)

「いいな〜うらやましい!」 (旦那がいるから必要に迫られて働くことないもんね)

「専業主婦、憧れだよー」

と言う。

(「専業主婦」という言葉も悪いんだろうな。働いてる人からすると「専門の生業として主婦する」なんてパラサイトのくせに…とかいう悪意を招かざるを得ない名詞。でも人に説明する場合一番分かりやすい簡単な名詞なので私はそのまんま使う。)


…分かる。私も同じ立場だったら反射的にそう言うと思うんだけど。


「旦那がいるから働く必要はない」なんてはるか昔の時代の考え方だ。私は旦那に依存しようとはさらさら思っていないし、できたら(例えば)いつ離婚してもいいようにいつまでも働いて行くのが理想だと思うし、別に専業主婦になってせいせいした、なんて思ってないよ。


でもメールだと説明がうまくできないので、「そうだねー(こんなに楽でごめんねーあははー)」ってくらいの返しで、黙っている。


人にはそれぞれ理由がある。それを想像できない人の何気ない言葉が人を傷つけるなーって思う。自分も傷つけなきゃってそう思う。


「結婚していて子供がいない夫婦」に対してもそうだ。たいてい結婚後3・4年経ったら決まり文句のように「お子さんはそろそろ?」なんて、オバチャン的ちゃちゃを入れる場面がよく見受けられる。


過去、私も何気なく口にしてしまった。


しかし私たちは彼女たちの何を知っているのだろう。私たちに見せない心労や思い、背景。そんな複雑で個々人のものを「一般化」して、「結婚後3・4年経ったら子供をつくるもの」ひいては「結婚したら必ず子供を産むものだ」という固定観念に縛られて、「つい」口にしてしまう、「お子さんはそろそろ?」。


でも私も結婚して、今後可能性のある出産という一大事が身近なものとなり色々調べる中で、様々なことを学んだ。子供が欲しくてもできず自分を責めてしまう女性、不妊治療に一喜一憂せざるを得ない女性…子供を授かることがどれだけ奇跡的・神秘的で、「計画」では思い通りにいかないこと。


不妊に悩む夫婦はよっぽどのことがない限り知人にそれを公にしない。だからこそ周りは「そんなことは知りもせず」、一番彼女らが傷つく「お子さんはそろそろ?」とか「やっぱり子供はかわいいからねー」なんて爆弾を投げつけてしまう。


仕方ないと言えば仕方ないんだけど、私は友人・知人に接する場合は本当に注意して思いやらなきゃって思う次第。これも、独身のときなら分からないことだった。


ってか専業主婦はそりゃお気楽なんだけどその背景には色々あるんだよ、って。