『それでもボクはやってない』




★★★☆☆

加瀬くん大好きなので、ひいき目が入ってしまって★多め。

わたし、この映画、好き。

日本の裁判・警察の問題点を身近な「事件」(痴漢の冤罪)から浮き彫りにしていく。「そんな殺生な!」「そんなこと本当にあるのだとしたら不当だわ!」ってことがてんこもり。


当人(加瀬亮)の視点はもちろんのこと、裁判官、弁護士、家族、友達…。それぞれの視点が絶妙なバランスで展開していって。やりすぎていない、でも足りないこともない。そう、少し淡々としているくらいのバランスがいい映画だと思った。


よくドラマや今までの映画にあった「裁判」というものは形式的で表面しかなぞっていなかったのだな〜ということを実感。
周防監督、これ本当にチミツな取材しているような気がする。


役者陣がこれまたイイ。主役の加瀬亮のふしぎな空気感ももちろん、脇を固めるもたいまさこ(母親)、別所さん(弁護士)、検察官(尾美としのり)などなど…。「微妙さ」がとってもいい。

加瀬くんの「過剰すぎない」演技、わたしはいつも好きだ。

ただの「裁判映画」と思ってみると専門用語満載だし(かなり分かりやすくしているけれど)つまらない、という人もいるのは予測できるのだけど。