『やわらかい生活』
出演;寺島しのぶ、豊川悦司、松岡俊介、田口トモロヲ、妻夫木聡、柄本明
寺島しのぶは、渋谷イメージフォーラムで『ヴァイブレータ』を観た時からすんごく気になっていて。(あとで知ったのだけど『ヴァイブレータ』のときと同じ監督だったのですね)
けっして美人ではない。
だけど、だからこそ、「揺れる30代の女性」「少し病んだ女性」を演じさせたらスゴイ。
他の出演者を見ても、「これは見なければ!」と思っていた作品。
渋谷シネアミューズにて。(ここは『アンテナ』を観て以来だな〜)
この映画は、とても淡々としている。
エンディングも含め、吉本ばななや岡崎京子の世界に似ている(と思った)。
何か劇的な事件が起こるわけではない。ある、30代女性の日々。
精神を患って世間をふわふわと泳いでいる主人公。
総合職としての怒涛の日々、火災で両親を失ったショック、そしておんなとして生きていく際の葛藤。
それらを体験して、今の彼女がいることを垣間見ることが出来る。
彼女まではいかなくても、重なるような経験をしたことがある女性には、
染みる場面もあるのではないだろうか。
彼女が引っ越したのは、蒲田。
これが、舞台として良かったんだろう。
下北沢や中野では微妙に「おしゃれ」。
蒲田だからこそ、良かった。
今回、トヨエツの演技がすごく良かった。
彼女のヤケドのあとを見たときの、あの目・あの表情。
寡黙でクール・かっこいい役柄が多いトヨエツの、幅広い実力をみたきがする。
でも・・・この作品は淡々としすぎてるなぁ。
原作が×××・・・うーん。
でもでも、最後、彼女が銭湯の中で泣くシーンは、じわっときちゃった。