虐待の再現が弱すぎる〜『アメリカン・クライム』
『アメリカン・クライム』
実話を元にした映画。
「JUNO」で一躍有名になったエレン・ペイジが虐待される少女の役なんだけど。
観てもあまり意味がない作品。
こういった「悲惨・壮絶」系の映画では、その「悲惨・壮絶」をとことん視聴者の胸に刻み込むことが必要。この映画で言えば、虐待がどれほどひどくて人道に反してて観るに堪えない悲惨な行為かってことを「しっかり」見せないと。
でもこの映画はその要の部分が中途半端。
虐待の行為の肝心な「ひどすぎる」部分でカメラをそらしたり、彼女の悲鳴だけでそれを表現しているところが多々ある。これは「あえて見せないようにした」というよりも「本物の虐待に見せる演出」を怠ったとしか思えない。
ならばせめて彼女の演出(洋服・メイク)をもっと汚くすべきだった。1カ月以上閉じ込められている少女の洋服はもっとボロボロでほとんど布を身に着けているかどうか、くらいであるほうがいい。彼女の顔がきれいすぎる。目の下にクマを作ったりともっと悲惨にしないと。
そういう「悲惨さ」が追求されていないので、この映画を観終わっても「やっぱり虐待はいけない」「今もどこかで虐待がされているなんて…」という感想しか浮かばないのだ。
もったいない。
エレン・ペイジは…こんなに綺麗だったのか!と思わせる。綺麗。