【試写会】『ホースメン』




f:id:opiumn:20091017181049j:image


監督/ジョナス・アカーランド
出演/デニス・クエイドチャン・ツィイー、ルー・ティラー・プッチ





頑なな刑事、エイダン・ブレスリンは、妻の死後、2人の息子アレックスとショーンとの間に溝が広がるばかり。仕事で、聖書の予言にあるヨハネの黙示録の四騎士に根差した邪悪な連続殺人事件の捜査にはまり込む。事件の現場には、毎回「COME AND SEE=来たれ」という謎のメッセージが残されていた。ある事件で中年女性が殺され、第一発見者は養女であるクリスティンだった。ブレスリンは自分の息子を思うように、彼女を気にかけていた。しかし事件が続くある日、ブレスリンはクリスティンから「私が殺したの―。」という衝撃的な事実を知らされる。彼女はこの事件の犯人の1人であり、猟奇殺人はこれからも続くという。史上最も美しき殺人者が仕掛けた罠、謎のメッセージの意味、次第に容疑者とブレスリンとの衝撃的なつながりが明らかになっていく――。




「史上最も美しき殺人者(チャン・ツィイー)が仕掛けた罠」ということがプロモーションでもやたら前面に出されている映画なのだけど。

チャン・ツィイー「のみ」が犯人だと刷り込んでおくことでドンデン返しが衝撃的なものになる、という仕掛けなんだろうけど、結果的に中途半端。

ゆえに、 50点。

(以下ネタバレあり)




確かに「やたら刑事エイダン・ブレスリンと息子とのエピソードが入ってくるな」と思ってはいたけれど。確かに結末は「意外」なんだけど。でも「ああ、そうか」と思うレベルで、期待したほどの「ドンデン返し」ではない。

「子供たち」が抱える悩み、悲劇、被害をもっと映像化してその悲惨さこそを観客に刷り込むべきではないだろうか。そこが弱い(例えばチャン・ツィイーが義父から性的虐待を受ける場面も写真だけでなく映像で見せるべき)ので、イマイチ子供たちに共感できないのだ。そこが決定的な落ち度。

「史上最も美しき殺人者(チャン・ツィイー)」だけで引っ張るには、チャン・ツィイーの使い方が足りない。彼女は結局「意外に」早めに自分の罪を吐きあとは思わせぶりな態度で刑事を翻弄するのみ。しかも最後は「白い騎士は頭が良すぎて絶対につかまらない」とすでにバトンを「白い騎士」に渡してしまうし。

基本的なストーリーやエピソードはとてもイイのでもっとうまく組み立てて欲しかったな、もったいないな、というのが正直なところ。

息子役のルー・ティラー・プッチは青い瞳と金髪が昨今の若手俳優の中ではとてもスタンダードな風貌で、◎。正統派だなという感じ。