【試写会】『パイレーツ・ロック』@東京厚生年金会館(新宿御苑)




パイレーツ・ロック東京厚生年金会館新宿御苑)を観た。

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ラブ・アクチュアリー』のリチャード・カーティス監督によるロック・ムービー
 『ラブ・アクチュアリー』で見事なアンサンブル・ドラマを撮りあげたリチャード・カーティス監督によるロック・ムービー! 1960年代に英国の若者を熱中させた海賊ラジオ局の船を舞台に、若者たちの絆を数々の名曲とともに活写する。
 素行不良で高校を退学になったカールは、更正のために母親の旧友の船に預けられる。だが、その船こそ若者を熱中させている海賊ラジオの発信元だった。最初は戸惑いを見せていたカールだが、次第に船の仲間たちと打ち解けてゆく。

監督:リチャード・カーティス
出演:フィリップ・シーモア・ホフマン ビル・ナイ リス・エヴァンス ニック・フロスト ケネス・ブラナー



80点



「どうせよくあるハリウッドのドタバタ映画だろう」と期待せず観たのに、かなり素敵で面白かった『ラブ・アクチュアリー』。その監督の作品だから興味があった。

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でもストーリー概要を観るに、先が読めてしまって。つまらないんじゃないかと思っていた。

確かにストーリーは思った通りHAPPYで言わばよくある終わり方。でも…それを彩るキャストの面々が個性的で素晴らしい! 単調なストーリーをカラフルに彩っている。一人ひとりが生き生きとしている。これだけキャストがいて「主役」だけでなく全員が際立った個性を表現するなんて脚本はもとよりキャスティング含め、監督の才能だろう。


特に魅力的だったのが「しばらくイギリスを離れていた伝説のDJギャヴィン」(リス・エヴァンス)!
劇中でも色気がある設定なのだけど本当に色気がある! 昨今アメリカ人かイギリス人か分からない俳優が多いけれども彼は「イギリス人」って感じで英国の国旗が背中に見えるようだった。

童貞のさわやか青年・カール(トム・スターリッジ)も適役。ブロンズではなく暗めの栗色の髪がいい。

DJたちの個性が実にくっきりと描き分けられていて混同することがない。(よく海外の映画だとみんな同じ顔に見えて誰だか分からなくなりませんか?)これはある意味、神業だ!

唯一、「言動行動全て皆のカンに触るアンガス」(リス・ダービー)だけが最後まで存在感がなかったような…。


また、私の心に刺さったひとつは衣装とメイク。60'Sをよく研究されたもの。特に女性の衣装がかわいかった!(短いワンピース、濃いつけまつげなど)

「こんな仲間がいたらいいなー」と思わせる元気になれる娯楽映画。


【ネタバレ気味ストーリー】
1966年のイギリス。ドラッグと喫煙で高校を退学になったカール(トム・スターリッジ)は更生のため、名付け親であり母の旧友でもあるクエンティン(ビル・ナイ)の船に預けられる。だが、実はクエンティンは海賊ラジオ局“ラジオ・ロック”の経営者。北海上から電波を発するその船は、24時間ロックを流し続け、国中をスウィングさせているホット・スポットだったのだ。

一番人気のDJは、ロックと自由を愛するアメリカ人ザ・カウント(伯爵)(フィリップ・シーモア・ホフマン)。他に皮肉屋だがユーモラスで面倒見の良いデイヴ(ニック・フロスト)、とてつもなく人が良いサイモン(クリス・オダウド)、寡黙が売りの美男子マーク(トム・ウィズダム)、深夜の時間帯を受け持ち、普段は部屋にこもっているヒッピー風のボブ(ラルフ・ブラウン)、毎時ぴったりにニュースをお届けするジョン(ウィル・アダムスデール)、言動行動全て皆のカンに触るアンガス(リス・ダービー)といった個性的なDJが揃っている。最初は戸惑いばかりの毎日だったが、気の良い仲間たちに囲まれ、カールは徐々に船内の空気に溶け込んでいく。

だがその頃、政府の大臣ドルマンディ(ケネス・ブラナー)は風紀を乱す海賊ラジオ局の存在を苦々しく思っていた。彼はスポンサーの締め出しにかかるが、クエンティンはしばらくイギリスを離れていた伝説のDJギャヴィン(リス・エヴァンス)を呼び戻し、出資者の支持を得るのだった。そんな中、カールはクエンティンから紹介された姪っ子マリアン(タルラ・ライリー)に一目で恋をするが、あっけなく失恋してしまう。

一方、ドルマンディは、電波が海難信号を妨害するとして、海洋犯罪法の成立に動き出す。法案は可決。“ラジオ・ロック”は大晦日24時をもって放送の終了を余儀なくされる。突然の決定に言葉を失うDJたち。そして悲しみに覆われるリスナーたち。“ラジオ・ロック”はこのまま終わりを迎えてしまうのか……?