【試写会】『パンドラの匣』




試写会で太宰治原作の映画『パンドラの匣』を観た。

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15点


太宰治の一番ポップな青春小説、
キラキラとあざやかに完全映画化!

2009年は、太宰治生誕100年!
太宰作品の中で、一番ポップな小説「パンドラの匣」が、青春映画として誕生!
監督は、相対性理論PV「地獄先生」や、やくしまるえつこPV「おやすみパラドックス」そして菊地成孔PV「京マチ子の夜」など、各界から熱狂的な支持を集める冨永昌敬。音楽にJAZZ界のカリスマ・菊地成孔が『パビリオン山椒魚』につづき再び冨永作品に参加。
キャストには、期待の17歳・染谷将太芥川賞受賞作家・川上未映子をはじめ、アニメ『時をかける少女』など若手実力派・仲 里依紗、俳優に加えミュージシャン・卍LINEとしての活動も注目を浴びる窪塚洋介など、様々なジャンルの俳優が集結し物語を彩る。
青春時代の淡い恋と人間模様ーー生き急いだ天才・太宰のモダンな物語が、今この現代に色鮮やかに甦る! 映画『パンドラの匣』10月10日(土)ロードショー!

と華々しく書かれているけれども。。。原作を読んでいないという失態をおかしている私なのだが、読んでいても読んでいなくても「おもしろくない」と思ったことに変わりはないだろう。

なんでこんな映画作ったんだろう。。。

「やっとるか」「やっとるぞ」「がんばれよ」「よーし、きた」
この繰り返しなどクスっと笑えるところはる。でも心をくすぐる「クス」ではないのだ。


この映画に良さを求めることができる人がいたら、その良さを教えてもらいたい。(いや本当に)なぜここまでおもしろくない映画を生みだしてしまったのか。私は原作選びを失敗したことが最大の原因であると思う。
太宰の作品を選ぶなら、もう真っ向からもう一度『人間失格』に挑戦してほしい。彼の集大成でありポピュラーな作品でありいかようにも調理(演出)できる作品だからだ。せめて『女生徒』などで魅力的な女優さんを登場させるとか。

なぜに、あえて『パンドラの匣』だったのか…? 業界のどうしようもない政治力の影響などがあるのだろうか。


 太宰の原作で昨今の映画なら間違いなく『ヴィヨンの妻』を観たほうがいい。


15点を加えたのは、仲ちゃん(この映画で知った)のかわいらしくも実力たっぷりの演技力と、この映画にオーディション合格を経て出演した染谷くんの健やかできれいな瞳、そして久々の露出・窪塚くんの相変わらずの存在感を賞して! 

仲ちゃん、かわいいわー。注目の若手女優さん! これからドラマにもどんどんどん出てほしいなぁ。。。。

染谷くんはかなりの注目株。その澄んだ瞳は今後どうなっていくんだろう…と楽しみ。


シネマレビュー探したらこういうふうに高評価している方も↓


 『亀虫』『パビリオン山椒魚』の逸材・冨永昌敬の新作だ。原作は、生誕100年で映画化が相次ぐ太宰治。戦後に発表された彼の長編では、珍しくポジティブで明るい小説だろう。終戦直後の結核療養所を舞台に、“新しい男”を自認する青年の青春模様が描かれる。

 アフレコによる人工的な音処理や画面の退色など技巧を凝らした、冨永監督一流の“懐かしい”のに“新鮮”な世界観は健在である。だがディテールの印象は、これまでの冨永作品とは大きく違う。

 あえて極言すれば、これまでの空間設計はフレームワーク(情報の出し入れ)中心だった。それに対して今回は“視線”の演出が際立っている。撮影が盟友・月永雄太から、初コンビの小林基己に代わったことも無関係ではないだろう。

 本作では、見る視線と見返す視線、屋外と室内、さらにその高低差や昼間の光と月明かりの明暗や差異を駆使して、見事な時空間が構築されている。若き天才監督の、さらなる飛躍を予感させる新展開である。★★★★★(外山真也・筆)

 【データ】監督・脚本:冨永昌敬原作:太宰治出演:染谷将太川上未映子仲里依紗窪塚洋介10月10日(土)から全国順次公開