『傷だらけの男たち』『アヒルと鴨のコインロッカー』




私は、1人で映画館に行き1人で観れる人(あ、「ら」抜き)です。
カぷるの間も潜り抜けて真ん中のいい席に座るようにします。

とにかく「今日観たい」と思ったら行きます、1人ででも。
むしろ1人で行くほうがいいときも。


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『傷だらけの男たち』★★★★☆


かつては上司と部下の関係だったベテラン刑事のヘイとポン。だが、ある事件をきっかけにポンの恋人が自殺、その時からポンの生活は一変、警察を辞職し私立探偵になり、酒びたりで自堕落な日々を送っていた。一方のヘイは億万長者チャウの娘スクツァンと結婚し、キャリアもプライベートも順風満帆だった。そんなある日、チャウが自宅で惨殺される事件が起きる。父の死に不審を抱いたスクツァンは、ポンに捜査を依頼するのだが…。



ウォンカーウエイの洗礼を受けたベタな私は、トニー・レオン出演ってだけでワクワクします。
そして金城くんを久々にスクリーンで見てみたかった、アジアの雑踏に迷い込んでみたかったってことで、これに決定。


泣きました。


トリックを暴いていく系の映画であり、そのトリックって分かりやすい(様々に交錯したトリックを次々と考え出しているクリエーターの作品が多い昨今だから仕方ない)のだけど、でも、やっぱり「そうだったのか!」と思い「なるほどな」と思い、そしてその裏側にある愛憎に共感できる。

デビット・リンチの初期作品とか、「メメント」とか「オールドボーイ」を見たときのようなえぐられるような衝撃を求めているのだけど、なかなか出会えないここ2年。)


特別スタイリッシュでも斬新でもないのだけど、でも、なんだろうな、観て良かった。


金城くんって「顔だけ」というイメージがあったのだけど(ごめんなさい!)
なにがなにが!
あの濃い顔だからこそ、スクリーンが締まるし、そして身のこなし、演技、存在が、とっても良かった。


今回いつも渋い役ではなくて、(金城くんと並ぶと特に)しょぼくれたオジサマな感じ漂うトニーレオン。(でも好き)

メガネのトニーは、矢嶋さんに似ていたよ。



この強弱のキャスティングが良かったんだろうなーと。


泣きました。もう1回見たい。
ただもう少しディープでシャープに作ってほしかったような気もして★4つ。



ハリウッドリメイクは、ディカプリオだそうなのだけど個人的にはブラピに演じてほしいです。

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アヒルと鴨のコインロッカー★★☆☆☆


仙台の大学に進学し、初めて一人暮らしを始めた椎名。ボブ・ディランの「風に吹かれて」を口ずさみながら引越の片付けをしていると、アパートの隣人・河崎から唐突に本屋襲撃に誘われる。やはり同じアパートに住むブータン人留学生が落ち込んでいるから「広辞苑」をプレゼントするのだと。困惑しながらもモデルガンを手に襲撃の手伝いをしてしまう椎名に、河崎はペットショップの…



黄色のポスターに惹かれて観にいく。


これもまた、泣きました。泣いてばっか。ああ、いいこと。

椎名くん役の彼が、いいなぁ。「神様もう一度だけ」で「背の小さいかわいいコだなあ」という印象しかなかったのだけど、これはかなりのハマリ役。あの純粋さと「小ささ」がポイントだった気がします。



瑛太は…前述の「金城武」の立ち位置。やっぱり顔の派手な人はスクリーンに映えるしそれだけで、圧倒してくる。


ネタバレになるので割愛するけれども、泣きました。


ただね、ただ。

もっと椎名、河崎、アノ子(関めぐみ)とのつながりを濃く描けていればもっともっと感動が増したはず。
それは弱すぎた気がします。惜しいーーーー本当に惜しい。


あとは、河崎になった瑛太が日本語うますぎるのも、惜しかった。
ちょっとつたないところを、見せてほしかったなあ…。


原作もすっごくイイだけに。
惜しい、惜しい!と思いながらも涙した。


そしてディランのあの曲は反則ね。
泣くね。
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