昔の彼?〜どきどき




続き


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1回会ってから、何度か電話で話した。




やはり彼はもう本部キャンパスに用事はないのでこちらには
来ない。


でも、友達が文系で本部キャンパスにいるのでたまに
遊びに行ったりもする、とのこと。



彼について深くまでは知らなかったけれど、なんだろう、
多分波長が心地よかったような気がする。


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その頃の私は、初めて実家を出て一人暮らしを
していて
大して勉強もせず、
バイトと友達と遊ぶことで楽しく過ごしていた。



それに彼の存在がプラスされて、さらに楽しかった。


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2回目は、「お好み焼きを作る」ということで
ホットプレートがあるウチに
来ることになった。


(弁解ではないけど、ウチの大学の周りは本当に
田舎で映画館など「娯楽」と呼べるものが
なかった。
なので「デート」と行ってもどこに行くことも
できなかった)


その頃で、話しかけてから1ヶ月は経っていたと
思う。


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お好み焼きを2人で作ったのが、とっても
楽しかった。


結局、電車で来ていた彼は終電がなくなり
(そもそも終電の時間が23時とかいう
信じられない土地柄だったのだ)
ウチに泊まることになった。



・・・・と、ここで。

期待しちゃーいけません!!!!



何も、ありませんでした。


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冬だったし「泊まる」というより「寝場所を貸す」
という感じだった。



ウチにはコタツがあった。


その一辺に私が寝転がり(もちろん服のままで)
隣の一辺に彼が寝転がった。



お互い、多分「何も起こらないように」ひたすら
話をした。

朝4時くらいまで。



すずめがチュンチュンと鳴き始めた頃、さすがに
眠気が襲ってきた。

眠りに落ちていくとき、その人は私の手に触れて
手を握った・・・・ような気がする。


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1ヵ月半経ってもまだ、電話で話す、会ったのは
2回、という状態。


しかし変わったのはその人が
「そっち(私のキャンパス)に行く用事があるから
 ・・・(会わない?)」
ということを言い始めた、ということ。


うれしかった。



ただ……不安な部分があった。
それは、彼にからかわれているのではないか、ということ。



彼の友達は、彼の話から察するに
どうもとても軽い人で女性関係も激しい・・・という人
が多かった。



目の前にいるその彼がそういう人だとは到底思えなかった。

でも、
「人は見かけによらない」ということもある。

「朱に交われば…」ということだってある。



もしかしたら、彼と彼の友達は私のことをおもしろがって
いるだけな可能性もあるよな〜と思った。


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ある日、ある電話がきっかけになった。


いつもどおり長め(1時間半とか)に電話していて
無言になったとき、私はその人の気持ちを
たずねた。


そうしたら、しばらく考えた末

「付き合いたいと思ってる」

「けど……自分は恋愛にとても臆病で、もっともっと
 知らないと踏み切れなくて。
 もし付き合ってもすぐ別れる、なんてことイヤだから。
 どーしよーかなーと 思ってたところで……」



はぁーーー?付き合いたい?
い・・・意外すぎる・・・



うれしいという気持ちよりも、彼が意外に慎重で
まじめに考える人だったことに驚いた。



やっぱり、私が「この人はだいじょうぶ」って
思っていたのは間違ってなかったんだなと
思った。


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私はそれを聞いて、
彼も友達のように軽い人だと思ってて・・・という
話を正直に、した。


そうすると
「友達と自分はまた別。
 友達として付き合ってるのは、他の部分が好きだから」
と言う。

このあたりがなかなか解せなかったのだけど
「男友達はそんな感じ」ということで後々納得できた。


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私は、その電話をしながら新聞に落書きをしていた。

ドキドキして、思わず落書きをしていた。



結局、その電話でお互いの誤解や不安はとけ
「よろしくお願いします」という感じで
お付き合い、というものをすることになった。