『誰も知らない』で号泣



         


誰も知らない [DVD]

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22時にレンタルしてきて、すぐ観たくなったので22:30〜25:30鑑賞。

これは主演の柳楽優弥くんを世に知らしめ、彼がカンヌで賞も取った重要作。
映画館で観ようと思っていたのに見逃した。

(『誰にもいえない』より先に、先月、柳楽くんの最新作『星になった少年』を映画館で観た。彼はとにかく目ヂカラがスゴイ。鋭くて繊細ででもかつ、強い。今後いい俳優になっていくのを見届けたいような逸材なんだろうな)


LDKの古いマンションに引越し。
母・子供合わせて5人で生活を開始するところから、物語は始まる。


天真爛漫だからこそ知らないうちに子供を傷つけているだらしない母親・けい子(YOU)。
長男・明(柳楽優弥)を筆頭に、合計4人の子供がいる。それぞれ父親は違う…しかも義務教育を受けさせていない。(学校に行かせていない)

ある日、けい子は書置きと当座の生活費を残し、恋人のところへ行ったまま、帰ってこなくなる。
一番頼りにされている長男・明はほかの兄弟3人を守るべく、必死に生活していくのだが……




ワンダフルライフ』『ディスタンス』の是枝裕和による、劇場用長編第4作。1988年に東京で実際に起きた「子ども置き去り事件」をモチーフにし、母親に置き去りにされた4人の子どもたちが、彼らだけの生活を続ける約1年を描いている。
撮影にも1年以上をかけた入魂の一作だ。
撮影時、子どもたちに台本は渡されず、監督のその場の指示で演技させたという。そんな独特の演出スタイルによって生み出された、生々しくもみずみずしい空気感が素晴らしい。彼らの感情が、頭を介してではなく心に直に入ってくるような不思議な感覚を覚える。そんなセミ・ドキュメンタリー的手法の一方でドラマとしての求心力を失うことがないあたりも監督の力量を感じるところだ。
カンヌ映画祭において、最優秀男優賞を史上最年少で受賞した柳楽優弥をはじめ、子どもたち全員の存在感が白眉。母親を演じたYOUら大人のキャストも見事にその世界に寄り添っている。(安川正吾)




ネタバレはしない程度に。

  • 【ワタシの個人的評価】★★★★★!!!!

  • この作品は脚本がなく、全てアドリブで作り上げたらしいのだが、その効果が存分に。。。「演技」と「素」のちょうど中間で本当に「ひとつの家庭」をのぞき見ている気になる。

  • 柳楽くんをはじめ、子供の配役は彼ら以外にはありないでしょ、と思わせる配役の素晴らしさ。

  • YOUだから「アドリブ」であそこまでできたんだろうな。YOUに目をつけた是枝監督(?)、ナイス。

  • 次第に退廃していく彼らの格好、生活、部屋…緻密に計算されて撮影期間を組んであるような感じ。この映画、撮影期間どのくらいかかったんだろう。かなり長いと思う。

  • 「日本に住んでいるからこそ分かる」映画。

昨今の「庶民」に潜む「何も怒ってないような」恐怖。怖い。そして悲しくなったりもした。

  • 私は、途中から涙があふれて最後は号泣してシマイマシタ。

最初は柳楽くんが妹のゆきとモノレールを見上げて「いつか、飛行機観に行こう」っていう場面。貧しくて電車にも乗れない彼ら。本物の飛行機を見たことがない彼ら。あああ…(涙)

  • 実話だそうだ。もっと調べようと思った。

  • 是枝監督の作品、好きかもしれない。前よかったのも是枝さんのだった気がする。

  • YOUの持ち物がヴィトン(ヴェルニホワイト、モノグラムのボストンバック、トランク、財布)なのもポイント。彼女の仕事や現状を象徴するもののひとつ。


  いい、 作品を、 観ることが できました。

これも観たい↓


「誰も知らない」ができるまで [DVD]

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最後に、「誰も知らない」について興味深いサイト・ブログなどです。


http://www014.upp.so-net.ne.jp/eriken/03/cinema04.htm
http://www.qool.jp/archives/000120.html
http://home.catv.ne.jp/dd/shiba/movie/4/4nobody.html


この映画の下敷きになったという
「西巣鴨子供四人置き去り事件」についての詳細はこちら
「MURDER IN THE FAMILY―家庭内殺人・または親殺し/子殺し―」ここに「◆巣鴨子供置き去り事件」という記事があります。
(opiumn>かなり陰惨で読んでてツラくなった…のでご注意)



KHAKI NO〜
「まず特定の作家の追っかけというものをしない私にとって、
是枝監督というのは特別です、作品がリリースされたなら観ずにはいられない、
こういう存在はほかにありません」